排気量は、10.9%しか増えていない。
1983年7月1日、ホンダ バラードスポーツCR-Xが発売された。用意されたのは1.3と1.5iの2グレードで、車両型式はそれぞれE-AE、E-AF。エンジンは1.3がEV型、1.5iがEW型で、いずれも横置きの水冷直列4気筒SOHCだった。
| ホンダ CR-X 1.3 総排気量 | 1,342cc | |
|---|---|---|
| ホンダ CR-X 1.5i 総排気量 | 1,488cc | |
| ホンダ CR-X Si(ZC型)総排気量 | 1,590cc | |
| 1.3→1.5i 増加率 | 10.9% | |
| 1.5i→Si 増加率 | 6.9% | |
| 1.3→Si 増加率 | 18.5% | |
| 1気筒あたり(1.3) | 335.5cc | |
| 1気筒あたり(1.5i) | 372cc | |
| 1気筒あたり(Si) | 399.5cc | |
総排気量は1,342ccと1,488cc。どちらもボア径は74.0mmで、違っていたのはピストンが上下する距離、つまりストロークである。1.3の78.0mmに対して1.5iは86.5mm。8.5mm長いストロークによって、1気筒あたりの排気量は335.5ccから372.0ccへ増えていた。
排気量だけを見れば、1.5iは1.3の延長線上にあるエンジンに思える。しかし、最高出力を並べると印象は変わる。1.3の80PSに対して1.5iは110PS。排気量が約1割増えただけで、出力は約4割も高くなっている。
ホンダが1983年6月に発行したプレスインフォメーションでは、この110PSを、当時の国内における1.5L電子燃料噴射エンジンとして最高の出力と紹介していた。排気量の順位ではなく、1.5Lという枠の中での順位が語られている。
その考え方は、翌年に登場するSiにも引き継がれた。ZC型の排気量は1,590ccで、1.5iとの差は102ccしかない。ところが最高出力はさらに25PS増え、135PSに達する。
1.3からSiまでを通しても、排気量は248ccしか増えていない。ホンダは、この小さな容積の差を、燃料供給や吸排気、動弁機構の進化によって大きな出力差へと変えていった。
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出力は、37.5%増えた。
1.3の80PSは6,000rpmで発生する。一方、1.5iの110PSは5,800rpm。最高出力が30PSも高いのに、その発生回転数は200rpm低かった。
この違いを理解するうえで重要なのが、1.5iに採用されたPGM-FIである。プログラムド・フューエル・インジェクションと呼ばれる電子制御燃料噴射装置で、エンジンの回転数や吸気管内圧力などの情報から、運転状態に応じた燃料噴射量を制御する。
キャブレターでは吸入空気の流れを利用して燃料を供給するのに対し、PGM-FIは電子制御によって燃料を計量する。ホンダはこの方式に、吸排気効率を高めたSOHC12バルブのシリンダーヘッドを組み合わせ、自然吸気の1.5Lから110PSを取り出した。
12バルブという構成にも理由がある。一般的な1気筒2バルブではなく、吸気側に2本、排気側に1本を配置することで、限られたシリンダーヘッドの寸法の中に、より大きな吸気通路を確保しようとしたのである。
最大トルクは、1.3の11.3kg-m/3,500rpmに対して、1.5iが13.8kg-m/4,500rpm。トルクの最大値は約22%増え、そのピークは1,000rpm高いところへ移っている。1.5iは単に低回転から力強くなったエンジンではなく、より高い回転域まで吸気効率を維持し、出力を伸ばす方向に仕立てられていた。
| ホンダ 1300(キャブレター) | 10:1 | |
|---|---|---|
| ホンダ 1500(キャブレター) | 9.2:1 | |
| ホンダ 1500(PGM-FI) | 8.7:1 | 最高出力仕様 |
圧縮比も興味深い。1.3は10.0、1.5iは8.7で、出力の高いほうが低い値を採用していた。圧縮比を上げれば必ず高出力になるわけではなく、燃焼室の形状、吸入空気量、点火時期、ノッキングへの対応などを含めた設計全体で出力が決まることが、この2機からも読み取れる。
リッターあたりの最高出力に換算すると、1.3は59.6PS/L、1.5iは73.9PS/L。排気量だけでは説明できない差の背景には、12バルブの吸排気設計と、PGM-FIによる燃料制御があった。
そして1984年、ホンダはこの12バルブという答えを、もう一度見直すことになる。
700rpmを、何で買ったか。
1984年10月24日、ホンダはシビックSiとバラードスポーツCR-X Siを発表した。発売日は11月1日。搭載されたのは、新開発のZC型DOHC16バルブエンジンである。
最高出力は135PS/6,500rpm、最大トルクは15.5kg-m/5,000rpm。1.5iと比べて最高出力は25PS増え、その発生回転数は700rpm高くなった。
ただし、回転数を上げれば自動的に出力が増えるわけではない。高回転でも十分な空気を吸い込み、燃焼後のガスを排出できなければ、回転数だけを増やしても力はついてこない。そのためにホンダが見直したのが、シリンダーヘッドの構造だった。
それまでのSOHC12バルブは、1気筒につき吸気2本、排気1本という配置を採用していた。ボア径74mmの円の中に、直径27mmの吸気バルブを2本、直径32mmの排気バルブを1本収める設計である。
バルブの直径から円の面積を計算すると、吸気2本の合計は約1,145mm²、排気1本は約804mm²になる。吸気側により大きな面積を与えながら、部品点数とシリンダーヘッドの大きさを抑えることが、12バルブを採用した狙いだった。
しかし、さらに高い回転域まで吸排気効率を確保しようとすると、3バルブの構成にも限界が見えてくる。そこでZC型では、吸気2本と排気2本の4バルブへ移行した。
4気筒で合計16本。バルブが4本増えたこと以上に大きな変化は、そのバルブをどう動かすかにあった。
ホンダが採用したのは、4バルブ内側支点スイングアーム方式である。DOHCの2本のカムシャフトがバルブを直接押すのではなく、内側に支点を置いたスイングアームを介して開閉させる仕組みで、ホンダは市販乗用車として世界初の採用と発表している。
この構造によって、吸気バルブのリフト量は10.3mm、排気側は9.0mmに達した。リフト量とは、バルブが閉じた位置からどれだけ開くかを示す寸法である。バルブを大きく開くことで、限られた時間の中により多くの空気を通すことができる。
バルブの径や開いている時間、吸排気ポートの形状、燃焼室の構造まで含めて成立させなければ、リフト量を増やしただけでは高回転での出力に結びつかない。ZC型では、こうした条件を一体として設計し直していた。
その過程で、意外な部品にも変更が及んだ。スパークプラグである。
シリンダーヘッドの中央には、4本のバルブだけでなく、点火プラグとスイングアームの支点を収める必要がある。従来の六角部20mmのプラグでは必要な空間を確保できず、ホンダは国内のプラグメーカーと共同で、六角部16mmの小型プラグを開発した。
たった4mmの違いだが、ZC型ではこの寸法が、DOHC16バルブをコンパクトなシリンダーヘッドに収めるための重要な条件になっていた。
カムシャフトにも軽量化の工夫がある。内部を肉抜きした異形中空カムシャフトを採用し、動弁系の構造を見直すことで、高回転化と小型軽量化を両立させようとしたのである。
さらに、吸気側には等長インテークマニホールド、排気側には4-2-1-2のエキゾーストシステムを組み合わせた。吸気や排気の流れには、エンジンの回転に伴って圧力の波が生じる。その脈動を利用して吸気の充填や排気の抜けを助けることも、135PSを実現するための設計の一部だった。
1984年のZC型は、単にSOHCをDOHCへ置き換えたエンジンではない。バルブを大きく開き、その動きを成立させるためにプラグを細くし、吸排気の通路まで設計し直した。700rpm高いところで25PSを上積みできたのは、そうした変更がひとつのエンジンとして機能した結果だった。
80PSには、80PSの役目があった。
135PSのSiが加わっても、ホンダは80PSの1.3をなくさなかった。値段の近いグレードを並べて売り分けたのではなく、1.3と1.5iとSiでは、速さの位置づけそのものが違っていた。
1.3のEV型は、最高出力80PS/6,000rpm、最大トルク11.3kg-m/3,500rpm。燃料供給にはキャブレターを採用し、圧縮比は10.0に設定されていた。1.5iやSiのような電子制御燃料噴射やDOHCを持たない代わりに、軽い車体と燃費性能を生かす方向に仕立てられていた。
その特徴がよく表れているのが、10モード燃費20.0km/Lという数字である。同じ1983年の資料で、1.5iは15.0km/L。いずれも5速マニュアル車の運輸省審査値で、5km/Lの開きがそのまま2台の狙いの違いになっている。
加速性能にも違いがあった。ホンダの社内測定による0→400m加速は、1.3が18.2秒、1.5iが16.2秒。2秒の差は小さくないものの、80PSの1.3も760kgという車両重量によって、9.50kg/PSのパワーウエイトレシオを実現していた。
つまり1.3が選ばれる理由は、速さの側になかった。日常の移動に要る力を備えながら、燃料消費を抑える。そのうえで、全長3,675mm、ホイールベース2,200mmというコンパクトな車体も、前席の2人を中心にしたパッケージングも、上級グレードと共通だった。
一方、1.5iは電子制御燃料噴射によって出力を高め、SiはDOHC16バルブでさらに高回転域の性能を伸ばした。3台の違いは、同じ目的に向けて性能を段階的に上げたというよりも、同じCR-Xを異なる使い方に応じて選べるようにしたものだった。
当時、1.6Lクラスにはトヨタ カローラレビン/スプリンタートレノのAE86や、ミッドシップのMR2も存在した。どちらも4A-GEU型DOHC16バルブで130PSを発生していたが、AE86は後輪駆動、MR2はエンジンを座席の後方に置く方式を採用していた。
それに対してCR-X Siは、横置きエンジンの前輪駆動を維持したまま135PSを実現した。後輪駆動やミッドシップへ移行するのではなく、コンパクトなFFの中で高出力化を進めたことに、ホンダの選択がある。
135PSを作れるようになっても、80PSで足りる使い方は消えなかった。ホンダがラインアップに残したのは、その事実のほうである。
3,675mmは、変わらなかった。
1983年の1.3と1.5i、1984年のSi。エンジンの最高出力は80PSから135PSまで増えたが、全長3,675mm、全幅1,625mm、全高1,290mm、ホイールベース2,200mmという基本寸法は共通だった。
もちろん、Siの追加によって車体がまったく同じだったわけではない。DOHCエンジンを収めるためのパワーバルジ付きボンネットや、リアスポイラーが与えられ、185/60R14タイヤ、等長ドライブシャフトなども採用された。ホンダはエンジンの出力だけを増やしたのではなく、その力を路面へ伝える部分にも手を加えていた。
VOL.1で取り上げた短いホイールベースと低い車体、VOL.2で扱った樹脂外板を取り入れたボディ構成は、135PSのSiでもそのまま引き継がれている。
三つのグレードの違いが一つの数字に出るのが、車両重量を最高出力で割ったパワーウエイトレシオである。
| 1.3 総排気量 | 1,342cc | |
|---|---|---|
| 1.5i 総排気量 | 1,488cc | |
| Si(ZC型)総排気量 | 1,590cc | |
| 1.3 最高出力 | 80ps | 6,000rpm |
| 1.5i 最高出力 | 110ps | 5,800rpm |
| Si 最高出力 | 135PS | 6,500rpm |
| 1.3 最大トルク | 11.3kg-m | 3,500rpm |
| 1.5i 最大トルク | 13.8kg-m | 4,500rpm |
| 1300 圧縮比 | 10:1 | |
| 1500キャブ 圧縮比 | 9.2:1 | |
| 1500 PGM-FI 圧縮比 | 8.7:1 | |
| 12バルブ ボア | 74mm | |
| 12バルブ 吸気バルブ径 | 27mm | 2本/気筒 |
| 12バルブ 排気バルブ径 | 32mm | 1本/気筒 |
| ZC型 1気筒あたりバルブ数 | 4本 | 吸気2+排気2 |
| ZC型 インテークバルブリフト | 10.3mm | |
| ZC型 プラグ六角部 | 16mm | 従来20mm |
| Si 車両重量 | 860kg | |
| Si パワーウエイトレシオ | 6.37kg/ps | 860÷135 |
| 1.5i パワーウエイトレシオ 800kg時 | 7.27kg/ps | ルーフベンチレーション仕様 |
| 1.3 パワーウエイトレシオ | 9.5kg/ps | |
| 1.3 0→400m加速 | 18.2秒 | |
| 1.5i 0→400m加速 | 16.2秒 | |
| 1.3 10モード燃費 | 20km/L | |
| 全長(全グレード共通) | 3,675mm | |
9.50、7.27、6.37。1.3では1PSで9.50kgを動かしていたものが、Siでは6.37kgで済むようになった。
Siは1.5iより60kg重くなっていたが、最高出力は25PS増えている。重量の増加を出力の上積みが上回った結果、パワーウエイトレシオはさらに改善した。1.3と比較すれば、1PSあたりの車両重量は約33%も減っている。
3,675mm
動かなかった寸法
1.3からSiまで、全長は同じ。中身だけが三度変わった。
ただし、この数字だけで加速性能やコーナリング性能が決まるわけではない。エンジンのトルク特性、ギア比、タイヤ、駆動輪への荷重、サスペンションの設定なども、実際の走りに大きく影響する。
とりわけSiでは、出力の増加に合わせて等長ドライブシャフトが採用されたことが重要だった。左右の前輪へ駆動力を伝える条件を整え、発進時やコーナリング時の安定性を高める狙いがあったのである。フロントにトーションバー・ストラット、リアにトレーリングリンク式ビームという基本構成を保ちながら、より大きな力を受け止めるための変更が施されていた。
TIPS
シビックSiと、CR-X Si。
1984年11月、ZC型DOHC16バルブを搭載したSiは、シビックとCR-Xに同時に設定された。最高出力はともに135PSだが、5速マニュアル車の重量はシビックSiが890kg、CR-X Siが860kg。30kgの差がある。シビックは全長3,810mm、ホイールベース2,380mmで、CR-Xよりそれぞれ135mm、180mm長い。中古車の広告でSiを見かけたら、車名よりも車両重量の欄を見れば、どちらの車体かが先に分かる。
全長を伸ばすことなく、排気量と出力を増やし、車体側にも必要な改良を加える。初代CR-Xの進化は、同じ寸法の中にどこまで性能を収められるかという試みでもあった。
1983年の80PSから1984年の135PSまで、3,675mmという数字は動いていない。動いたのは、その中に収まっているものの密度のほうだった。
2代目へ、そしてデルソルへ。
初代バラードスポーツCR-Xは、1987年に2代目へと交代した。車名から「バラードスポーツ」が外れ、新たにサイバースポーツCR-Xを名乗る。
初代が小さな車体に高出力エンジンを収めることで独自のスポーツカー像をつくったのに対し、2代目はその考え方をさらに発展させた。1989年にはSiRが追加され、B16A型DOHC VTECエンジンによって160PS/7,600rpmを実現する。
ZC型の135PSから25PSの増加だが、その内容は単なる高回転化ではなかった。VTECは、エンジン回転数などに応じてバルブの作動特性を切り替える仕組みである。低回転域と高回転域で異なる要求を、ひとつの動弁機構の中で成立させようとした技術だった。
TIPS
400台の、F-1スペシャルエディション。
後期型のSiをベースにした400台の限定車が「F-1スペシャルエディション」である。1986年、ホンダのエンジンを積んだウィリアムズがF1世界選手権のコンストラクターズタイトルを獲得したことを記念して設定された。エンジンもミッションも足まわりは変更されておらず、手が入ったのは外装と内装。中古車で出会ったときに当たるべきは諸元表ではなく、専用の内外装がそろっているかどうかになる。
初代のZC型が、限られた空間でバルブを大きく開くために内側支点スイングアームを採用したのに対し、B16A型では、バルブをどのように開くかという制御そのものが進化した。DOHC16バルブを手に入れたあとも、ホンダの関心はシリンダーヘッドの内部に向けられていたのである。
1992年には、3代目となるCR-Xデルソルが登場する。取り外し可能なルーフを持つオープンスポーツへと性格を変え、電動でルーフを格納するトランストップ仕様も設定された。
デルソルSiRのB16A型は170PS/7,800rpmを発生したが、車体は初代とは大きく異なっていた。1.5iの約800kgから、デルソルSiRでは仕様によって1,000kgを超える重量となり、装備や車体構造にも変化があった。
出力だけを追えば、初代1.3の80PSからデルソルSiRの170PSまで、90PSも増えている。しかし、3世代を通じて変化したのはエンジン性能だけではない。初代が掲げた2人を中心にした小さなスポーツカーは、2代目で高回転・高出力のFFスポーツへと進み、3代目では屋根を開けて走る楽しさを加えた。
3世代を並べてみると、CR-Xという名前が指していたものが、一定ではなかったことが分かる。小さく軽い2人のスポーツカー、高回転で回すFFスポーツ、屋根の開くクーペ。初代の答えは、そのうちの最初の一つだった。
200PSを見込んで、135PSで出した。
ZC型の開発は、当初からDOHCを前提としていたわけではない。
ホンダ75年史によれば、開発担当者の川田恵一に与えられた課題は、動力性能と環境性能を両立する1.6LのSOHCエンジンだった。しかし川田は、SOHCの設計と並行してDOHCの図面も作成し、サイズや重量、部品点数、コストの差が大きくないことを示して採用を働きかけたという。
DOHCにしたかった理由のひとつには、レースで他社のクルマと競えるエンジンをつくりたいという思いがあった。1985年に始まる日本ツーリングカー選手権のグループAを見据え、ZC型のシリンダーヘッドやクランクシャフトまわりには、200PSまでの性能向上を想定した設計上の余地が与えられていた。
市販仕様の135PSは、その目標より65PS低い。もちろん、200PSまでを想定していたことと、市販エンジンがそのまま200PSを発生できることは別の話である。それでも、量産車のエンジンを開発する段階から、レースでの性能向上を具体的に見込んでいたことは興味深い。
ホンダは1984年11月、ZC型をシビックSiとCR-X Siに搭載して発売した。開発の中心にあったのは、DOHCという名称そのものではなく、限られた寸法の中で高回転・高出力を成立させることだった。
一方、初代CR-Xの出発点には80PSの1.3があった。760kgの車体で10モード燃費20.0km/Lを出すエンジンと、6,500rpmまで回して135PSを出すエンジン。この二つを同じ車名のもとに並べていたことが、ZC型の置かれた場所を示している。
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ZC型で20mmから16mmへ縮んだ部品の現行品で、4mmの差が工具の掛かり代として手に取って分かる。
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六角部: 16mm・ZC型以前の標準: 六角部20mm・差: 4mm(20.0%の縮小)・適合: 車種ごとに指定がある
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ZC型は、CR-Xを速くするために作られたエンジンではなかった。1.6Lという容積からどこまで取り出せるかを確かめるために設計され、その答えを積んだ車の一台がCR-Xだった。だから135PSは終点ではなく、200PSまでを見込んだ道の途中に置かれた数字だったのである。
ZC型が残したもの。
ZC型の設計目標は、市販仕様の135PSではなかった。ホンダ75年史によれば、シリンダーヘッドもクランクシャフトまわりも、グループAで200PSまで上げることを見込んで寸法が決められている。1984年11月に店頭へ並んだCR-X Siは、その設計をいちばん軽い車体に積んだ一台だった。
同じ年、ホンダは80PSの1.3も売り続けている。片方は1.6Lという容積から取り出せる限界を試すためのエンジン、もう片方は軽い車体を燃料を使わずに走らせるためのエンジン。CR-Xという名前は、その両方を指していた。初代CR-Xの面白さは、135PSという数字そのものよりも、同じ車体に80PSと135PSを並べて置いたという判断のほうにある。

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